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フィリップ・K・ディック「模造記憶」(新潮文庫)

SF短編集
P・K・ディック
新潮文庫
『模造記憶』

これをクリスマスプレゼントにいかがでしょうか?
悪夢的内容のお話が続きますが、
最後から2番目の小説
「追憶売ります」
原題 We can rememberit for you wholesale
が小気味よいオチを与えてくれて、
心が和みます(ほんまかいな~)


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テーマ : 書評
ジャンル : 小説・文学

tag : ディック SF 書評 ブログ

死の迷路

フィリップ・K・ディック
「死の迷路」
Philip K.Dick
A maze of death

(1970)

これを書いたとき、
作者は相当な行き詰まりを感じていて、
これまでの創作パターンを壊すつもりで
書いたが、やっぱり、「偽の現実」オチの
パターンをやってしまい、どうしようもないね、
っと自己憐憫したらしい。

ほんでもって、1990年2月に
これを読んだのだが、当時の私も
人生いろいろで、
傍目にはたいしたことをしていないが、
落ち込んでいたので、
このストーリー展開での

閉塞感→閉塞感→閉塞感→現実展開
のオチが、妙に合点がいき、
作者のもがきが、わかるようで納得しました。

普通の推理小説のような犯人捜しが
延々続きます。

読後、プールで泳ぎ、「デルマクオーの世界のような
浮遊感~」などと、訳のわからん、泳ぎをしてましたっけ。

創元推理文庫の
山形浩生氏の解説もすばらしくて、
「ではなぜディックは流行ったのか」
の分析は「まさに、まさに!!」
でした。

(以下部分引用)
「ディックは陰気で無能な卑しい人間を描くにかけては素晴らしい才能を
もっている。・・・(略)・・・そうした落伍者が、
落ちこぼれているが
故に自分を落ちこぼした社会を覆う衰退を認識できる、
というアウトサイダー
の優越性をしょっちゅう描くからで、
もちろんそれを認識できる落伍者たちは
その歪みから自由で、間違っているのは世間で、
したがって自分は正しいというまったく根拠のない自己正当化を
読者に可能にさせてくれるためだ。
・・・(略)・・・
「落伍者は落伍者であるがゆえにエライ」という、
自堕落といえばこれほど自堕落なものもないテーゼを
恥ずかしげもなく、持ち出してきて、しかも呆れた
ことにそれを読者に納得させてしまったという一点に尽きている。
(引用終わり)



テーマ : SF小説
ジャンル : 小説・文学

アンドロイドは電気羊の夢を見るか?

フィリップ・K・ディック
「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」
Philip K.Dick
Do androids dream of electric sheep?
(1968)



どこから、書評を初めて良いやら
わからぬものだが、
差し当たり所有数の多い作家からか。

フィリップ・K・ディックは
ご多分に漏れず、映画『ブレードランナー』から知った。
ブレードランナーも坂本龍一氏や浅田彰氏が絶賛しているのを
雑誌で読んで、大学時代に、映画館まで見に行ったのだった。
映画を見た。感想、暴力オンパレードで、納得できず、だった。

ヴァンゲリスのエンドタイトルは格好良いと思ったが。
しかし、しばらく時間が経過し、あの硫酸の雨が降るロサンゼルスの
映像美が、他の映画や文学では、獲得しがたい情感を与えることに
気づくのだった。

むさぼるように再度、映画を見た。

そして、原作を読んでみようと思った。

読んだ。機械でなく本物の動物を飼うことにステータスを
感じるようになる設定に、強烈な違和感。

夫婦の感情齟齬、ハードボイルド・タッチの描写
ウィルパー・マーサー教、共感ボックス、
岩山をのぼり続ける老人、
その他、ガジェットの数々、
その癖、電話帳が出てくる場面あり。

何かわからんな~。

しかし、アンドロイドにせよ、人間にせよ、
思い通りにならない美女を描くのは旨いと思った。
ダメだめ感たっぷりの男キャラクターたち。

単身赴任して、一人寝る5月のマンションで、
やはり、まず最初に読みたくなったのが、
この本だった。

なんでだろう?絶望の中の希望を描き、また、
解決のないエンディングに、現実感を感じるからか。

今では自分のバイブルのように感じ、
何度も読めてしまう物語だ。

初読1985.7.15
2回目1986.5.20
3回目2002.5.19
英語では2007.6.20

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